【この差】「お茶」の種類による「健康効果」の差

 
専門家:山本万里(日本茶インストラクター 農研機構

 

【この差】は…
 お茶の「発酵時間」や「加工」によって、「健康効果」に差がある

【この差】のポイント!

 ・脳梗塞の予防には「緑茶」
 ・がん予防には「食後に緑茶」
 ・風邪予防には「紅茶」
 ・寝つきが良くなるのは「水でいれた緑茶」 
 が効果的

 

お茶の樹からつくられているお茶はどれ?


「緑茶」、「ウーロン茶」、「紅茶」、「ほうじ茶」、「玄米茶」、「ジャスミン茶」、「プーアール茶」、すべて「カメリアシネンシス」というお茶の樹からつくられている

 

なぜ味が違う?

味の違いは、「発酵時間」と「加工」の違いから生まれる

「緑茶」、「ウーロン茶」、「紅茶」の違いは、「発酵時間」の違い
茶葉は、摘むと「発酵」が始まる。

「緑茶」は全く「発酵」させない。摘みとったらすぐに蒸したりして酵素を殺して、「発酵」をさせないようにするため綺麗な緑色。「ウーロン茶」は12時間「発酵」させる。そのため、茶葉が少し黒っぽい色になる。「紅茶」は13~18時間「発酵」させる。そのため赤っぽい色になる。
「発酵」させるほどお茶本来の渋みが甘みに変化していくので、「緑茶」が一番渋く、「紅茶」が一番甘くなる。

「ほうじ茶」、「玄米茶」、「ジャスミン茶」、「プーアール茶」の原料はすべて「緑茶」。どのように「加工」するかによって味が変わってくる
「ほうじ茶」は、「ほうじ機」という機械に入れて約200℃で炒るため、非常に芳ばしい味わいになる。

「玄米茶」は、緑茶の中に炒った玄米を入れているので、玄米の芳ばしい香りがする。

「ジャスミン茶」は、緑茶の上にジャスミンの花を敷き詰めて、さらに緑茶、ジャスミンの花と重ねて数時間置き、香り付けしたもの。桜など他の花でも香り付けすることができ、みかんの花などはとても良い香りになる。

「プーアール茶」は、こうじ菌や乳酸菌などで1~2ヶ月じっくり緑茶を発酵させ、さらに風味を強くするため1~3年間寝かせて熟成させる。

 

脳梗塞をより予防するのは、「緑茶」「紅茶」どっち?!


お茶には、脳梗塞の原因である悪玉コレステロールを抑制する「エピガロカテキンガレート」という成分が含まれているが、お茶の種類によって「エピガロカテキンガレード」の含まれる量が異なる。

「エピガロカテキンガレート」が最も多く含まれるのは「緑茶」で7%も含まれている。「紅茶」は2.7%しか含まれておらず、その差は約2.5倍になる。

「緑茶」は茶葉を発酵させないので、「エピガロカテキンガレート」が多く、「紅茶」は発酵させるので、酵素が働き「エピガロカテキンガレート」が少なくなってしまう

 

「カテキン」にはさまざまな効果がある!

「カテキン」にはさまざまな健康効果があり、「抗酸化作用」「アレルギー予防」「高血圧予防」「肥満予防」「消臭効果」「がん予防」「認知症予防」「血糖値上昇の抑制」「整腸作用」などが期待できる。

国立がん研究センターの調査によると、毎日5杯以上緑茶を飲む女性は「胃がん」になる確率が約21%以上低下毎日5杯以上緑茶を飲む男性では「前立腺がん」になる確率が約11%低下した。


「カテキン」ががん細胞の表面の膜について「死になさい」というシグナルを送り、がん細胞が自滅していくと言われている。「カテキン」は腸から入って体中に回って、その局所に行ってがんを死滅させる働きをする。

厚生労働省の発表した「がん死亡率の少ない市区町村」をみると、男女とも上位5位に「緑茶」生産量第一位の静岡県の市区町村が複数入っている。毎日「緑茶」を飲むことが、がん死亡率の低さに繋がっていると考えられている。

 

がん予防により効果的な「緑茶」を飲むタイミングは、「食前」「食後」どっち?!


がん予防には、「食後」に緑茶を飲むと効果的

がんの原因のひとつとされているのが「活性酸素」。体に必要なものだが、過剰にできるとがんを促進したり細胞にダメージを与えてしまう。

「カテキン」は過剰にできてしまった「活性酸素」をやっつけてくれる働きがある。

食事をすると消化・吸収によって「活性酸素」が大量に発生するが、食後に「カテキン」を体に入れることで、「活性酸素」をまとめて撃退してくれるため、「食後」に飲むのがいい。


「緑茶」を飲む量は1日に湯のみ5杯程度が良い。「カテキン」は体内に入っても2~3時間で消滅してしまう。

また、食後の「緑茶」は少しずつ飲むよりも一度に飲み干す方が、血中の「カテキン」濃度が高くなるため効果的

※熱いお茶の場合はやけどをしないようにご注意ください。ペットボトルを一気に飲むなど無理な飲み方はしないでください。

 

効果的な「カテキン」摂取法とは?

「茶がら」を食べること。

「緑茶」を急須で入れると、「カテキン」はお茶に40%出るが、「茶がら」に60%残ることになる。

また、「茶がら」には水に溶けない「ビタミンA」や「ビタミンE」が豊富に含まれているため「茶がら」を食べるのはとても健康に良い。

「茶がら」はそのままだと少し渋いので、お浸しのようにして食べると良い。「茶がら」急須1杯分に「しょうゆ」・「かつおダシ」を大さじ1杯けけ、「かつお節」をのせれば完成。ご飯にのせて食べるのもオススメ。1日6g程度食べると、ビタミン類も豊富に摂取できて良い。

 

かぜのウィルスを撃退できるのは、「緑茶」「紅茶」どっち?!


かぜ予防には、「紅茶」が効果的

「紅茶」には「テアフラビン」というかぜのウィルスを撃退する働きのある物質が含まれている。「紅茶」の赤い色の本体が「テアフラビン」で、非常に強い「抗菌力」「抗ウィルス力」を持っている。

「緑茶」は緑色で「テアフラビン」は入っていない。「緑茶」でうがいをするのは「カテキン」の効果を得るため。「テアフラビン」は「カテキン」よりも強い効果がある。「紅茶」は発酵の過程で「カテキン」が「テアフラビン」に変化する。

「テアフラビン」は「インフルエンザウィルス」にも効果があると言われている。バイオメディカル研究所の調査では、約100万個の「インフルエンザウィルス」に紅茶のエキスを入れると99.9%死滅するというデータが得られた。

「紅茶」にお塩を少し入れてうがいをすると、「インフルエンザ」予防にとても効果がある

 

飲むと寝つきが良くなるのは、「熱湯でいれた緑茶」「水でいれた緑茶」どっち?!


「水でいれた緑茶」が寝つきを良くするのに効果的

水でいれると「テアニン」というリラックス成分が出る。

「緑茶」には眠気を覚ます「カフェイン」が入っているが、「カフェイン」と「テアニン」が両方あると、「テアニン」によって「カフェイン」の効果が打ち消されるので、「水でいれた緑茶」はほとんんど「カフェイン」の効果がなく、リラックス効果が得られる。

「テアニン」の「テア」は「ティー(お茶)」のことで、お茶以外に「テアニン」の入っている食品はない

 

【minnano編集部】
お茶の健康効果は本当にたくさんありますね!かぜ予防には「緑茶」が一番だと思っていましたが、「紅茶」の方が高い効果が期待できるとは?!「インフルエンザ」予防にも効果的なので「塩入り紅茶うがい」を習慣にしたいと思います!
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※「この差って何ですか?(2018年7月3日放送)」をチェック!!
(配信準備中の場合や都合により放送できない放送日があります。ご了承ください。)