【この差】「なす」と「なすび」の差

 
専門家:斗鬼正一(江戸川大学 社会学部 教授)

 

【この差】は…
 縁起のよい名前か どうか

【この差】のポイント!

「なすび」を縁起の良い名前に変えたのが「なす」

 

「なすび」は方言ではない

街の人100人に、何と呼ぶか聞いたところ、「なす」と答えた人は72人、「なすび」と答えた人は28人だったが、「なすび」と答えた人のうち24人が西日本出身だった。


「なすび」は関西の方言だと思っている人が多いが、「なすび」は方言ではない

 

「なすび」の由来は?

この野菜は奈良時代に中国から日本に入ってきたが、当時はとても貴重な食べ物だったので、天皇や貴族などの身分の高い人しか食べられなかった

当時は「なすび」と呼ばれていた。奈良時代の平城京跡地から出土した木簡には「奈須比(なすび)」と書かれている。

「なすび」という名前の由来は、味と深く関係している。「なすび」の「び」は「実」を表している。奈良時代の「なすび」は、今食べている「なすび」とは違いやや小ぶりで、「もぎなす」に近い形だった。

そして、昔の「なすび」は酸っぱい味だった。そのため、「中が酸っぱい実」から「なかすみ」→「なすみ」→「なすび(奈須比)」と変化していき、都のあった関西地方を中心に「なすび」という呼び名が広まっていった

 

「なす」という呼び名はどのようにして生まれた?

江戸時代、徳川家康がきっかけで「なす」という呼び名が生まれた

江戸時代にできた「一富士 二鷹 三なすび」ということわざは、徳川家康が好きだった「富士山」「鷹狩」「なすび」を表していて、家康は「なすび」が大好物だった

しかし、「なすび」は関西地方を中心に作られていて、江戸ではなかなか手に入らなかった。そこで、家康は江戸でも「なすび」を作るように命じ、江戸でも「なすび」の栽培が行われるようになった

当時は「なすび」の生産量がまだ少なかったため値段が高く、なかなか売れなかった。そこで、江戸の商人たちは「なすび」を縁起の良い野菜として売り出し、名前を「なす」に変えることを思いつく

「成す」という言葉は、「事を成し遂げる」「成功する」など、縁起のいい言葉として使われていた。

この「成す」が「なすび」の「なす」と同じ発音だったため、「なすび」の「なす」の部分だけをとって呼ぶことにした。「なす」という名前に変えたことで、「なす」は食べると商売が繁盛する縁起の良い野菜として人々が買うようになり、「なす」という呼び名が広まっていった

 

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【minnano編集部】
「なすび」はてっきり関西の方言だと思っていました。「なす」という呼び方は、徳川家康がきっかけで生まれたということも驚きです!一文字変えただけで縁起の良い名前として受け入れられ、売れ行きを伸ばすことに成功したとは、江戸商人の知恵は素晴らしいですね!!
みなさんの感想やエピソード、オススメのなすレシピなどレポして下さると嬉しです!みなさんのレポ投稿、お待ちしています♪

 

 

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