【この差】「もりそば」と「ざるそば」の差

専門家:斗鬼正一(江戸川大学 社会学部 教授)

 

【この差】は…

 「のり」がのっているか どうか
 

 

【この差】のポイント!

最初に誕生したのは「もりそば」。

「のり」をのせて高級感をだし、差別化したのが「ざるそば」。

 

「もりそば」と「ざるそば」はどこが違う?

 都内50軒のそば屋を調査したところ、どの店も「もりそば」には「のり」をのせておらず、「ざるそば」には「のり」をのせている

値段を調べると、「ざるそば」の方が平均92円高かった

 

「もりそば」の誕生

日本でそばが食べられるようになったのは室町時代。この頃のそばは、現在のような細長い麺状ではなく、団子状で、生や焼いたりして食べていた当時のそばは、現在のそばがきのようなものだった。

そして室町時代後期になると生地を平らに伸ばして麺状に切るそばが誕生し、「そば切り」と呼ばれた

この時代のそばは、つなぎの小麦粉が入っておらず、すぐに切れるので今より太めだった

さらに江戸時代になると、小麦粉をつなぎに入れた「二八そば」が登場して現在のような細長い麺になった。

当時から麺状のそばはつゆにつけて食べるのが一般的だった

そして、木の器に盛っていたそばは、そばを盛る様子から「もりそば」と呼ばれるようになった

 

「ざるそば」の誕生

江戸時代中期、現在の江東区深川に「伊勢屋」という人気のそば屋さんがあった

当時のそばはお椀に盛られていたが、そばについた水がお椀の底に溜まって、最後の方になると、そばが水に浸かり味を損ねていた

そこで、店主が目をつけたのが「ざる」

湯切りで使っていた大きなざるを小さくし、それを皿にのせて出すと、そばがベチャベチャになることがなくなったので最後まで美味しく食べることができるようになった

こうしてざるに盛ることから「ざるそば」と名付けられた。しかしこの時はまだ「のり」はのっていなかった。

 

なぜ「ざるそば」に「のり」をのせた?

伊勢屋の「ざるそば」が人気になると、「ざるそば」をメニューに加える店が増えていった。そして明治時代になると、ざるそばの上に当時はとても高価だった「のり」をのせて、高級感を出し、差別化をしようとするそば屋さんが現れた

他にも、「そばつゆ」に「みりん」を加えて味に変化をつけたり、そばの量を増やして差別化するお店なども出てきた

そして、「のり」をのせた「ざるそば」は、その物珍しさと、「のり」の香りが そばに合うということでたちまち大人気となった

こうして、「のり」をのせていない普通のそばを「もりそば」、「のり」をのせて高級感を出したそばを「ざるそば」と、呼ぶようになった

 

「もりそば」と「ざるそば」がせいろにのせられるようになった理由は?

江戸時代末期になると、物価の上昇によってそば粉の値段が上がり、そば屋さんの経営が苦しくなったそこで、値段は上げずに、そばの量を減らすことにしたが、減らしたことが分からないように、器を底上げして量が変わらないように見せるため、現在のようなせいろに盛るようになった

こうして「もりそば」と「ざるそば」どちらも底上げしたせいろにのせられるようになったが、「ざるそば」は他のそばと差別化し高級感を出すために今でも「のり」がのせられている

 

【minnano編集部】
「せいろ」に盛られているのが、底上げするためだったとは?!驚きです!

団子状だった「そば」が麺状になり、細くなり、ざるに盛られるようになり、のりをのせて差別化され…と「そば」が進化していったことがよく分かりました!

みなさんの感想やエピソード、オススメのおそば屋さんなどレポして下さると嬉しいです!みなさんのレポ投稿、お待ちしています♪

 

konosa-try

 
※「この差って何ですか?(2018年10月16日放送)」をチェック!!
(配信準備中の場合や都合により放送できない放送日があります。ご了承ください。)