【この差】「しいたけ」と「どんこ」の差

専門家:阿部良秀(大分県椎茸農業協同組合 組合長)、池辺稲生(しいたけ農家)

 

【この差】は…

 収穫するタイミングがはやいか どうかか

 

【この差】のポイント!

 〇 カサの開きが、「どんこ」は7分未満のモノ、「しいたけ」は7分以上のモノ

 

産地も値段も一緒?でも1個当たりの値段は高い?


スーパーなどの店頭には、「しいたけ」と「どんこ」という商品が並んで売られている。

今回調査した商品は、同じ産地の大分産、値段も598円だった。

しかし、「しいたけ」は8個入りに対して、「どんこ」は5個入りと1個当たりの値段が高かった。


「カサの開き具合」がポイント?


今回は、「干ししいたけ」の生産量 全国1位の大分県で調査。大分県椎茸農業協同組合で聞いたところ、「しいたけ」の作り方をみれば分かるとのこと。そこで、実際に「しいたけ」を作っている農家を訪ねた。

「しいたけ」の作り方は、まず原木になる「クヌギの木」に「しいたけ菌」を埋め込む「原木栽培」という作り方でつくる。

原木に直径1cmの穴を20か所開け、その穴に「しいたけ菌」を埋めて、1年半寝かせる。

「しいたけ菌」は、木の養分を吸い取り、「菌糸」が広がっていく、そして「しいたけの芽」が出てくる。

「しいたけ」は成長がはやく、3週間ほどでカサが5cmくらいになると収穫する。ここまでは「しいたけ」も「どんこ」も同じ作り方。もちろん、同じ原木から作られるモノ。

そして、カサが「7分くらい開いたモノ」を乾燥機に24時間かけて乾燥させたら、「どんこ」になる。

一方「しいたけ」は、そのまま放置し、カサが「7分以上開いたモノ」を乾燥させたら、「しいたけ」になる。

つまり、「しいたけ」という商品は「カサの開きが7分以上のモノ」を指し、一方、「どんこ」という商品は「カサの開きが7分未満のモノ」を指す。この差は、「収穫のタイミング」ということになる。

「しいたけ」と「どんこ」の収穫するタイミングに、どれくらい差があるのか?


「どんこ」の状態になってから、およそ3時間程度で7割以上カサが開いて「しいたけ」になってしまう。

「しいたけ」は、天気や温度に大変左右されやすい。例えば、気温が急な上昇や雨が降ると、カサが一気に開いてしまう。そのため、「どんこ」の状態で収穫するのが大変難しい。

つまり、「どんこ」の状態は、わずかな時間でしか収穫できず、収穫しずらいため、値段が高くなる。

全て「どんこ」で収穫せずに、なぜ「しいたけ」も作るのか?


なぜ値段の高い「どんこ」だけを収穫せず、「しいたけ」も作るのかというと、「干ししいたけ」のカサの開き具合によって厚みが違うため、どの料理に向いているかが変わるため。

例えば、「しいたけ」の場合、水にもどすと、薄く平らのため、細かく刻んで、「お吸い物」や「ちらし寿司」など、味にアクセントをつけるために使うことが多い。

一方、「どんこ」は、丸みを帯び、肉厚のため、「煮物」や「天ぷら」など、歯ごたえを活かした料理に使うことが多い。


なぜカサが開いていないモノを「どんこ」と呼ぶのか?


明治時代初期、当時は、椎茸問屋では「カサが開いているモノ」も「カサが開いていないモノ」も2種類を混ぜて、一緒に販売をしていた。

ある時、中国人が来店し、「ドング」と言いながら、「カサが開いていないモノ」を選んだ。

実は中国では、「カサが開いていないモノ」を「肉厚で美味しい」として、「ドング」と呼び分けしており、重宝していた。

そして、中国での呼び名である「ドング」から次第に変化していき、「どんこ」となり、「しいたけ」と「どんこ」の2種類を区別して売るようになった。

 

【minnano編集部】
煮物を作る時には、欠かせない「どんこ」。今回の放送で、収穫時間が短いことなど、農家の方の苦労をはじめて知りました。あと、大分県が生産高1位というのも知りませんでした。

「しいたけ」も「どんこ」も、我が家の料理によって欠かせない材料なので、また美味しくいただきたいです。

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※「この差って何ですか?(2019年2月26日放送)」をチェック!!専門家のわかりやすい解説と出演者のトークが楽しめますよ!!

(配信準備中の場合や都合により放送できない放送日があります。ご了承ください。)