専門家:梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック 院長)
INDEX
- 【「睡眠」にまつわる新常識】は… 〇「睡眠のゴールデンタイム」は、「眠り始めてから最初の4時間」。 〇「冷たい飲み物」を寝る前に飲むと「寝つき」が良くなる。 〇「エアコン」は、寝室の温度を「他の部屋より1℃下げ」、タイマーなどで消さないようにする。 〇「昼寝」をするほうが、むしろ夜「寝つき」が良くなる。 〇「目覚め」をより良くするためには、10分前に「テレビ」や「ラジオ」のタイマーをかける。 〇「枕」や「マット」は、硬い方がいい。
- 【健康常識チェック】「睡眠のゴールデンタイム」は何時?
- 【健康常識チェック】「ホットミルクを飲むと、寝つきが良くなる」は?
- 【健康常識チェック】「昼寝をすると、夜寝つきが悪くなる」は?
- 【健康常識チェック】「90分の倍数で目覚ましを合わせると、スッキリ目覚める」は?
- 【健康常識チェック】「枕やマットは自分の体にフィットするものがいい」は?
【「睡眠」にまつわる新常識】は…
〇「睡眠のゴールデンタイム」は、「眠り始めてから最初の4時間」。
〇「冷たい飲み物」を寝る前に飲むと「寝つき」が良くなる。
〇「エアコン」は、寝室の温度を「他の部屋より1℃下げ」、タイマーなどで消さないようにする。
〇「昼寝」をするほうが、むしろ夜「寝つき」が良くなる。
〇「目覚め」をより良くするためには、10分前に「テレビ」や「ラジオ」のタイマーをかける。
〇「枕」や「マット」は、硬い方がいい。
〇最新常識をチェックして、今夜から、良い「寝つき」と「目覚め」を!
【健康常識チェック】「睡眠のゴールデンタイム」は何時?
体の疲労回復やお肌の新陳代謝を促す「睡眠のゴールデンタイム」。
その時間帯は「午後10時~午前2時」という睡眠の健康常識。

実はこれ「昔の健康常識」で、今となっては、間違いだとわかった!

「今の健康常識」では、睡眠のゴールデンタイムに時刻は関係なく、「眠り始めてから最初の4時間」に変わっている!
なぜ「睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時」と言われていたのか?
なぜ「睡眠のゴールデンタイム」は、「午後10時から午前2時」と言われていたかというと、海外のある研究機関が1991年に「睡眠時間と成長ホルモンの分泌の関係」を調べたところ、確かに午後10時から午前2時の間に「成長ホルモン」が多く分泌されていた。

しかし、そもそもこの実験は、寝る時間は「午後10時〜午前7時」に設定されており、
最初の4時間に「成長ホルモン」が多く分泌されていただけだった!
それが、いつしか「睡眠のゴールデンタイム」は、「午後10時から午前2時」と誤解されて広まってしまった。
【まとめ】「睡眠のゴールデンタイム」の新常識は「眠り始めてから最初の4時間」!
「成長ホルモン」の分泌は、時刻に関係なく、寝始めて「最初の4時間」が最も多い!


つまり、午前0時に寝ると、午前4時までの「最初の4時間」が「睡眠のゴールデンタイム」ということになる。
【健康常識チェック】「ホットミルクを飲むと、寝つきが良くなる」は?
昔から「睡眠の健康常識」で、寝る前に「ホットミルクを飲むと、寝つきが良くなる」といわれていた。

これは、今でも「正しい健康常識」なのか?それとも今となっては「間違った健康常識」なのか?
実は、この常識は、今となっては「間違った健康常識」。!

「今の健康常識」は、「ホットミルクを飲むとかえって寝つきが悪くなる」。

この常識は、専門家曰く、「たぶんですけど、赤ちゃんがミルクを飲んだら自然に寝ることから、あったかいミルクを飲んで寝ている様子をみて、大人もそうだろうと勝手に思い込んだのでは?」とのこと。

でも赤ちゃんの場合は、ホットミルクが良いのではなく、お腹がいっぱいになったから寝ている」とのこと。

つまり、科学的根拠は全くない。
なぜ「ホットミルクを飲むと、かえって寝つきが悪くなる」のか?
「ホットミルク」だけではなく、
実は「アツアツの飲料」は、決して「寝つき」をよくするものではなくて、むしろ悪くするもの、ということ。!

「睡眠」は、眠るときに、「体の内臓」や「脳」の温度を下げる。これ「深部体温」という!

この「深部体温」を下げることによって、「寝つき」がよくなる。

簡単な例でいうと、よく冬山で遭難した時に体が冷えてくると眠くなってきて、よく「起こしてあげる」シーンがある。「寝るな!寝るな!」といったシーン。

まさに「体が冷えてくると眠くなる」ということを表現しているといえる。
つまり、体を逆に温めてしまうと、「寝つき」が悪くなるということ。
「温かい飲料」で、体を温めてしまうよりは、むしろ冷たい「冷えたドリンク」のほうが、「深部体温」を下げることができて、「寝つき」をよくする!

ただし、「氷」や「冷たすぎる飲み物」は刺激になるので、「冷蔵庫の飲み物」、あるいは「常温の水」が良い。
「飲み物」だけじゃない!より「寝つき」を良くする方法とは?
さらに、「冷たい飲み物」だけではなく、寝室にある工夫をすることによって、「深部体温」が下がり、より「寝つき」が良くなる。

実は、「寝室の環境」というのが、非常に大切!!
「寝室の温度」を、あらかじめ1℃だけ下げておくだけで、寝つきがよくなる。

「深部体温」を少し下げてあげることで、「良い睡眠」を得ることができて、「寝つき」もよくなる!

男性の方では25℃、女性の方では27℃くらいが理想的。
「エアコン」はつけっぱなし!?「切りタイマー」は使わない!
「エアコン」は、「朝まで絶対に消さない」がポイント!

寝汗をかいて眠っているようであれば、それは、もう「体」や「脳」が一生懸命体温調節しようとしている証拠。つまり、「脳」が眠れてないということ!
寝るときに、例えば「3時間で切れる」ようにタイマーかけて寝る方多い。
しかし、「絶対それは避けて欲しい!」とのこと。
実際、「エアコン」のタイマーをかけてしまい、「熱中症」とか「脱水症」の原因なる例も。
「寝汗」をかいている状況は、運動しているのと同じで、「自律神経」が一生懸命頑張っているということで、非常に危険。
特に高齢者の方では、夜の就寝の間に「熱中症」で亡くなる方も結構多いとのこと。
【まとめ】「寝つき」をより良くするためには?
夜、「寝つき」をより良くするためには、まず寝る前に、「冷たい飲み物」を飲む!
さらに、「エアコン」で、寝室の温度を「他の部屋より1度下げ」、オンのまま!決して、タイマーで消さないようにしておく!
【健康常識チェック】「昼寝をすると、夜寝つきが悪くなる」は?
昔から睡眠の健康常識で、「昼寝をすると、夜寝つきが悪くなる」といわれていた。
これは、今でも「正しい健康常識」なのか?それとも今となっては「間違った健康常識」なのか?
実は、この常識は、今となっては「間違った健康常識」。

「今の健康常識」では、「昼寝をする方がむしろ夜寝つきが良くなる」に変わっている!
【ポイント】「30分以内の昼寝」
この常識は、実は、1時間以上長く寝てしまうと、夜の睡眠時間が短くなったり、寝つきが悪くなったりする!


ポイントは、「30分以内の昼寝」。

実際、「30分以内に昼寝をすると、むしろ夜、寝つきがよくなる」というデータがある!
【検証】本当に「昼寝をすると、寝つきが良くなる」のか?

今回、実際に「30分昼寝」をした時としない時では、寝付くまでの時間に、どれくらいの差が出るのかを、

4人に睡眠状態に入ったかどうかを測る装置をつけてもらい検証した。

1日目は、昼寝をせず。2日目は、午後0時から3時の間に「30分間昼寝」をしてもらった。
まず1人目の方は、昼寝をしなかった1日目は30分かかったが、昼寝をした2日目は、なんと15分と半分に縮まった。

2人目の方も、30分から、5分に縮まった。

そして、4人全員が昼寝をしただけで寝付くまでの時間が短くなった。長短はあるが短くなっていることがわかった。
なぜ「昼寝をすると、寝つきが良くなる」のか?
夜、「寝つき」が悪くなる最大の理由は、「ストレス」!
人間が14時間、16時間くらいずっと朝から活動していると、かなり脳にストレスがたまってしまう。


実は、「睡眠のリズム」を作っているのも、「脳」の一番の働きでもある。
それが疲れてしまうと、「睡眠のリズム」が作れずに寝つきが悪くなってしまう。

そのため、一度「昼寝」をして、「脳のストレス」を軽減させてあげ、睡眠のリズムを良好にさせることで、結果として寝つきがよくなるということ!
【ポイント】「昼寝」の前に「コーヒー」を飲む!
「昼寝」は、途中で「あと30分寝たい」と思っても、起きることが必要。
ただ、起きた時に、体が怠いとか言うケースに、オススメ方法がある。
「昼寝」の前に「コーヒー」を飲むこと!

実は、寝る前に「コーヒー」を飲むことによって、昼寝をしてから30分後、スッキリと目覚めることができる。
「コーヒー」の中に含まれる「カフェイン」という物質が含まれていて、非常に強い覚醒作用を持っている。
ただし、この作用が発現するまでに30分ほど、時間かかるため、飲んですぐは寝ることができる。

そして、30分後に「コーヒー」の覚醒作用が発現するため、パッと起きられるということになる!
【まとめ】「寝つき」を良くする「30分以内の昼寝」と「コーヒー」
夜、「寝つき」をより良くするためには、
昼間、「コーヒー」を飲んで、5分以上、30分以内の「昼寝」をした方が良い!
【健康常識チェック】「90分の倍数で目覚ましを合わせると、スッキリ目覚める」は?


昔から睡眠の健康常識で、「90分の倍数で目覚ましを合わせると、スッキリ目覚めることができる」といわれていた。

これは、今でも「正しい健康常識」なのか?それとも今となっては「間違った健康常識」なのか?
実は、この常識は、今となっては「間違った健康常識」。

「今の健康常識」では、「90分の倍数でもスッキリ目覚めるとは限らない」に変わっている!
なぜ「90分の倍数で目覚ましを合わせると、スッキリ目覚める」と言われていたのか?
人は、浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」っていうのを繰り返している。
それを、そのまま「睡眠サイクル」と一般的に言われている。

ある機関が、「睡眠サイクル」が、「どれくらい時間の切り替えをしているのか」を調べたら、平均的に言うと約90分くらいだった。

そこから今、まことしやかに「90分周期」といわれるようになった!
ところが、実際には、「個人差が非常に激しく」て、60分の方もいれば、120分の方もいる!


さらに、個人の中でも、その日の体調によって、実は70分だったり、110分だったり、バラバラ!であることがわかった。

あくまで平均であって、「90分に合わせる」というのは、全くナンセンスとのこと!
「スッキリ目覚める」ためのオススメ法は「テレビ」?
実は、「スッキリ目覚める」ためのオススメ法がある。
まず、寝ているときに「目覚まし時計」の「アラーム音」や「大きな爆音」で目覚めるというのは、「強制覚醒」で、「驚かせて起きる」起き方。

この場合、深い睡眠に入っている時に、いきなり起こされてしまうこともあり、ビックリして、驚かされるため、非常に「恐怖心」を覚えて、「血圧」とか「心拍」が一気に上がってしまう。
何より、「目覚め」が非常に悪い方法といえる。
そこで、「目覚まし時計」の代わりに、
「テレビのタイマー」を使うことで、毎朝スッキリ起きることをオススメ!

「テレビの音」は、普段「寝室で聞かれているくらいの音」。
大きな音での「強制覚醒」ではなく、「テレビの音」を聞かせると、ゆっくりとこうやって目覚めていくことができる。
起きたい時間の10分くらい前に「テレビのタイマー」かけると、その間、徐々に目が覚めていくので、自然に目が覚めることができる。
さらに、「血圧」とか「心拍」の上昇も抑えられることができる。
特に高齢の方には、オススメ!
なぜ「テレビの音だと、毎朝スッキリ起きられる」のか?
なぜ「テレビの音だと脳が徐々に覚醒し、スッキリと目覚めること」ができるのか?
大事なのは、実は「テレビから流れてくる会話」!

この場合の「テレビの音」は、その決してボリュームを大きくして、物理的に起こしているわけではない。
「朝の情報番組」などは、「自分に関心、興味のある話題」を提供してくれる。興味関心があればあるほど、耳の機能はちゃんと生きているので、頭の中に入ってきて、どんどんどんどん、自然に目が覚めていく。

そして、会話を聞き取ろうと、徐々に脳が覚醒していくのが、実は大切。
そうした点で、「会話」というのが非常に重要といえる。
【検証】本当に「テレビのタイマー」でスッキリ起きられるのか?
今回、1名の方に、「アラーム」を使った時と「テレビのタイマー」を使った時の差を検証。
1日目は、アラームで起きたてもらう。この時は、このように深い睡眠の時に無理やり目覚めた「強制覚醒」。

被験者の方も「ああ起きなきゃって感じで、スッキリではない感じ」とのコメント。
2日目は、「テレビのタイマー」を使って起きた時は、徐々に覚醒し、およそ10分後にスッキリと目覚めたことが分かった!

被験者の方も「自然と目が覚める、みたいな感じで、良かったです」と感想を語っていた。
寝室に「テレビ」がない場合は?
寝室に「テレビ」がない場合などは、「ラジオ」や「歌詞の入ったボーカルの音の入った歌」をタイマーセットする方法もある。

「歌詞の入ったボーカルの音の入った歌」の場合は、「歌詞がしっかりと聞き取れるような曲」が良い!
【まとめ】「目覚め」をより良くするためには「テレビ」!
朝、「目覚め」をより良くするためには、「目覚まし」は「90分の倍数」で合わせるのではなく、
起きたい時間の10分前に「テレビ」や「ラジオ」のタイマーをセット!
また、「スマホ」などで「ボーカル入りの音楽」のタイマーをかけることで、徐々に脳が覚醒し、スッキリと目覚めることができる!
【健康常識チェック】「枕やマットは自分の体にフィットするものがいい」は?
昔から睡眠の健康常識で、「枕やマットは自分の体にフィットするものがいい」といわれていた。

これは、今でも「正しい健康常識」なのか?それとも今となっては「間違った健康常識」なのか?
実は、この常識は、今となっては「間違った健康常識」。

「今の健康常識」では、「枕やマットは硬い方がいい」に変わっている!
なぜ「枕やマットは硬い方がいい」のか?
これまでは、「枕」や「マット」が硬いと、「体に悪い」、「首がゆがむ」、「体がこる」等といわれることもあった。
しかし、実際には「硬いマット」を使われている方のほうが、「寝ている途中に目が覚めにくい」というデータがある!

逆に、寝た時にフィットする「枕」や「マット」は、かなり柔らかい場合が多いが、実は「寝返りができない」場合が多い。
その結果、「熱がこもって」しまい、「夜中に何度も目が覚めてしまう」。

さらに、「マット」を硬くすることで、深い眠りを得ることができる!
実は、「寝がえり」は、一晩のうちに、だいたい10回から20回くらいする。
「寝返り」は、血流を維持したり、あるいは「体温を放熱させる「深部体温」を下げるうえで、非常に重要!
よって、「やわらかいマット」を使って寝る時は、どうしても熱がこもって、「寝つき」が悪かったり、「深い睡眠」を得ることができないということ!
そのため、是非、「硬いマット」を使ってほしい!
なぜ「低反発」な「枕」や「マット」が良いと言われてきたのか?
専門家は、この理由を「沈む感じが気持ちいい」や「やわらかいのが気持ちいい」等の快適性が理由ではないか?と分析。
ただ、最初は良いが、「低反発」だと沈み込んでしまって、寝返りした時に「へこみ」がまだ残ってしまっていることがある。
すると、「寝返り」した時に、違和感があるのでオススメしない。
「枕」は、「高反発」がオススメ!
ホテル等での「枕」や「マット」の対応方法とは?
「ホテル」などで、「枕」が「フワフワ」だけの場合は、
「バスタオル」を重ねて使うかたちをオススメ!
【まとめ】「枕」や「マット」を選ぶ時のポイントとは?
「枕」や「マット」には、「低反発なモノ」と、様々なタイプのものがあるが、
選ぶ際は、「体が沈みこみすぎず、しっかりと寝返りをサポートしてくれるモノ」を選ぶのが良い!
最近、睡眠に関する関心が高まっていますよね。
「寝つき」を良くしたい!スッキリ「目覚め」たい!など、それだけで1日がステキに過ごせそうですよね♪
親世代から教わった「常識」も「非常識」になっていたので、常識をアップデートして、健康に過ごせるようにしたいです。
みなさんの感想やエピソード、疑問などレポして下さると嬉しいです!みなさんのレポ投稿、お待ちしています♪
※「この差って何ですか?(2019年6月25日放送)」をチェック!!専門家のわかりやすい解説と出演者のトークが楽しめますよ!!
(配信準備中の場合や都合により放送できない放送日があります。ご了承ください。)