専門家:井上広法(浄土宗光琳寺 副住職)
この差は・・・
INDEX
(1)受付では「お悔やみを申し上げます」。
(2)数珠は左手に持つ。
(3)お焼香は故人ファーストで。
(4)お焼香は何回でもOK。
(5)「天国で安らかにお眠りください」はNG。
お葬式の後は、来た道と別の道を通って帰る。
「ご冥福御お祈りします」はふさわしくない?
「ご冥福」の冥は、暗黒の死後の世界を意味するが、宗派によっては極楽浄土の死後の世界を目指しているため、「冥福を祈る」という言葉は適切ではない。
「お悔やみを申し上げます」ならば、ご遺族の方々の悲しみに共感している言葉なので、仏教に限らず使うことができる。
数珠は左手に持つのがマナー
数の珠と書く「数珠」は、念仏やお経を数えるそろばんのようなもの。
お坊さんの教本でも、合掌以外の時は左手に持つことがマナーとされている。
お焼香ではまず故人に弔意を表す
お焼香の際は、まず故人に手を合わせ、弔意を表す。ご遺族へのお辞儀は、そのあとでよい。
先にご遺族にお辞儀をすることが間違いではないが、まずご遺族にお辞儀をしなくてはいけないという決まりはない。
お焼香は2回でも良い?
お焼香の回数に決まりはない。1回だけでも心を込めれば尊いもの。
実際には1回2回3回のお焼香にもそれぞれ意味はあるが、僧侶が修行する中、口伝で教えられるもの。
仏教に「天国」はない?
仏教には天国という概念がそれほどないので、「天国で安らかにお眠りください」というのはふさわしくない。地獄の反対は「極楽」であり、ご先祖様たちはあの世に行ってから仏になるための修行をするため、「眠る」というのも間違っている。
気持ちや願いを込めた言葉を故人にかけるとよい。
お葬式の帰り道は「繰り返さない」
お葬式の帰り道は来た道と同じ道を通って帰ってはいけない。
仏教というよりも日本人の風習として、同じ事を繰り返すと死が死を呼ぶと考えられている。火葬場への送迎バスも、行きと帰りできちんとルートを変えている。
※お葬式のしきたりや礼儀作法は、地域や宗派によって異なる場合がある。
お葬式は故人の死を悼み、ご遺族の悲しみに寄り添う大切な場ですので、しきたりや礼儀作法をしっかり知って、失礼のないようにしたいものですね。
みなさんは、しきたりや礼儀作法について迷うことや疑問に思うことはありますか?みなさんのレポ投稿、お待ちしています♪
※「この差って何ですか?(2018年3月13日放送)」をチェック!!
(配信準備中の場合や都合により放送できない放送日があります。ご了承ください。)